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関節リウマチ・膠原病患者様へのコロナワクチン接種について

関節リウマチや膠原病の患者様からコロナワクチン接種についての問い合わせがありましたので、まとめさせていただきます。

 

※この情報は2021年2月15日現在の日本リウマチ学会の見解

https://www.ryumachi-jp.com/information/medical/covid-19/#jcr

ならびに、日本リウマチ学会の患者様向け情報

https://www.ryumachi-jp.com/information/medical/covid-19_2/

をもとにまとめました。

情報については新しい情報が入り次第、随時更新いたしますが、より細かい情報が必要な際はリンク先をご参照ください。

 

(1) 私(リウマチ性疾患患者)はコロナワクチン接種をしてもよいでしょうか?

A: ワクチン接種は個人の自由意思による選択です。そのうえで、ヨーロッパ・アメリカのリウマチ学会はリウマチ性疾患患者さんに対するワクチン接種を強く推奨しています。ファイザー社のmRNAワクチンは臨床試験において95%という感染予防率を示しました。リウマチ疾患の患者様でも同様の効果が期待されることから、ワクチン接種による利点は非常に大きいと思われます。ヨーロッパリウマチ学会は「リウマチ性疾患患者がワクチン接種を差し控える理由がみあたらない」と踏み込んだ表現をしています。現在承認のワクチンは弱毒生ワクチンではありませんので、免疫抑制薬による治療中も接種可能です。欠点としては、リウマチ性疾患患者の副作用発生率については情報が不足していること、今後のウイルス変異への対応は未知であることなどが挙げられます。

欧米ではワクチン接種が推奨されており、利点と欠点を理解したうえで、主治医と相談の上で接種の可否を決定することになります。

 

(2) 一般的なコロナワクチンの副反応について教えてください。

これまで、主に(1)局所反応(2)全身反応(3)アナフィラキシーが報告されています。

  • 局所反応:接種部位の皮内反応は6-80%。ほとんど1週間以内に消失。
  • 全身反応:頻度は3-80%。頭痛・全身倦怠感・筋痛・関節痛・悪寒など。2回目投与時ならびに若年者で頻度が上昇。
  • アナフィラキシー:発生頻度は100万接種あたり1件。17/21例にはアレルギーの既往、7/21例ではアナフィラキシーの既往あり。

 

(3) リウマチ患者で注意すべき副反応について教えてください。

A: リウマチ性疾患患者さんでとくに注意すべき副反応は、(1)アナフィラキシーショック、(2)原疾患のリウマチ性疾患の悪化の二つです。ただし、今のところリウマチ性疾患患者で副反応が多いという報告は確認されておりません。(1)ファイザー社製mRNAワクチンでアナフィラキシーショックがリウマチ性疾患患者さんで増えるという報告はありません。(2)理論上はワクチンのアジュバント効果による原疾患の悪化はありえますが、実際に悪化したという報告はありません。また承認から間もないため、長期安全性については健常人を含めて未知となっております。

 

(4) 私(リウマチ性疾患の患者)はワクチン接種の優先順位が高いですか?

A: リウマチ性疾患患者のうち、優先順位が高くなるのは下記を使用中の方です。

・ステロイド(プレドニン換算で5mg以上)

・免疫抑制剤(MTXやプログラフ®など)

・生物学的製剤

・JAK阻害薬

 

(5) ワクチン接種前後でステロイドや免疫抑制剤の治療は休むべきですか?

A: 通常のワクチン接種の場合、免疫抑制剤やステロイドの中止や減量は行いません。今回のコロナワクチンも接種前後で免疫抑制剤やステロイドは変更せずに継続すべきです。(リツキシマブについては主治医と相談してください。)